こんにちは、ふっちんです😊
「私らしい働き方を探して」、第6話です。
前回は、50代で未経験の総務事務へ転職し、仕事を覚える中で少しずつ増えていった「?」について書きました。

それでも私は、まだ辞めようとは思っていませんでした。
せっかく始めた総務事務。収入も以前より大きく増えました。できれば定年まで働きたい。
だから私は、「辞める」より先に、
「どうしたら続けられるんやろう?」
をずっと考えていました。
ひなののお留守番
締め日前になると、どうしても帰宅が遅くなりました。遅い日は21時を過ぎることもあり、家に着くのは22時過ぎ。
その間、ひなのは一人で待っています。
そこで締め日前後には、義妹に夕方からひなのを見てもらうようにしました。でも、義妹にも仕事があり、自分の愛犬のお世話や家族のこともあります。ずっと頼るわけにはいきません。
「仕事もちゃんとしたい。でも、ひなのとの暮らしも大切にしたい」
どうしたら両方できるのか、毎月考えていました。
やっと少し楽になる……と思ったのに
やがて、一部の仕事をほかの方にも手伝ってもらえることになりました。
「これで少し楽になるかもしれない」
ホッとしました。
ところが年末、私がインフルエンザにかかり、5日間仕事を休みました。そのまま年末年始のお休みに入ります。
年が明けて職場へ戻っても、締め日はいつも通りやってきます。そして、休んでいる間の私の仕事は、そのまま残っていました。
一人では難しいと思い、ほかの方に手伝ってもらえないかお願いしましたが、
「これはあなたの仕事だから」
と言われました。
結局また残業を続け、なんとか締め日に間に合わせました。
そして、その直後。肩、腕、指が痛くなりました。
整形外科を受診し、治療を受けながら仕事を続けることになりました。
そのとき、初めて本気で思いました。
「私、このまま仕事を続けて大丈夫なんかな?」
収入は増えた。でも、暮らしは?
転職して、収入は以前の倍以上になりました。それは、転職した大きな目的の一つでした。
でも——
毎月締め日に追われる。長時間残業する。ひなのには長時間留守番をさせる。家族にも助けてもらう。そして、自分の体にも不調が出てきた。
「収入は増えた。でも、何のために働いてるんやろう?」
以前の職場でも、同じことを考えたことがありました。
あの頃は、「娘たちを大学に出すまで」という大きな目標がありました。
でも今度は、これからの自分の暮らしをよくするために転職したはずでした。
その暮らしそのものが、仕事で崩れ始めていました。
「困ってることない?」
そんな頃、よく声をかけてくださる先輩がいました。
分かりにくい院内のことを教えてくれたり、関連する場所をメモにして渡してくれたり。偶然、お互い犬を飼っていることも分かりました🐶
家もそれほど遠くなく、いつしか一緒にランチをするようになりました。
「困ってることない?」
何度も聞いてくれました。
それでも最初は、上司との関係で悩んでいることまでは言えませんでした。
ある日、
「なんで、こんなに親切にしてくださるんですか?」
と聞いてみました。
先輩は、もうすぐ退職するので、それまでに知っていることをいろいろ教えてあげたいと思った、と話してくれました。
そして、自分自身もこの職場で辛い経験をしたこと。以前働いていた人の中にも、仕事や人間関係に悩んで辞めた人がいたことを教えてくれました。
そのとき初めて、
「私だけが仕事をできないから、こんなにしんどいわけじゃないのかもしれない」
と思いました。
だんだん、自分の判断に自信がなくなりました
仕事量だけではありませんでした。
分からないことを聞けば、自分で覚えるようにと言われる。でも、分からないまま対応するわけにもいかない。
丁寧に対応しようとすれば、時間をかけすぎないようにと言われる。
職員さんの顔を覚えていなければ注意される。でも、確認せずに対応することもできない。
「じゃあ、どうするのが正解なんやろう?」
細かなことで注意を受けることが増えるにつれて、自分の判断に自信がなくなっていきました。
上司との関係について正式に相談することも考えました。
ところが、院内のハラスメント相談窓口の担当者の一人が、その上司でした。
「ここには相談できひん……」
そう思いました。
誰か一人が悪かった、だけではないのかもしれません
当時は、定時で帰るほかのパートさんを見て、「少しだけでも手伝ってもらえたら……」と思ったこともあります。
でも後になって、その方たちにも事情があったことを知りました。
以前は残業していたものの、残業を控えるよう言われ、それぞれが自分なりの方法で仕事を終わらせていたそうです。社員さんたちも、遅い時間まで働いていました。
今振り返ると、誰かが助けてくれなかった、という単純な話ではなかったのだと思います。
一人ひとりの仕事量が多く、みんなが自分の仕事を終わらせるだけで精いっぱい。誰かをフォローする余裕そのものが、職場になかったのかもしれません。
仕事が、家までついてくるようになりました
そしていつの頃からか、職場を出ても仕事が終わらなくなりました。
頭の中で、です。
家に帰っても、次の締め日のことを考えている。ごはんを作るのもしんどい。食べることさえ面倒になる。
ひなののお散歩も、朝しか行けない日が増えました。
長い時間一人で待っていたひなのにごはんをあげて、そのままソファで眠ってしまう。夜中に目が覚めて2階へ行くと、今度は仕事のことを考えて眠れない。
そしてまた締め日がやってくる。締めが終わると、肩や腕、指が痛くなる。
「これは、もう頑張り方を工夫する段階じゃないのかもしれない」
怖くなって、メンタルクリニックを受診しました。
お医者さんからは、一度、仕事を休むことが必要だと言われました。
そう言われたとき、ショックというより、どこかホッとした自分がいました。
「これで、休んでもいいんや」
そう思ったんです。
それでも、契約満了まで
この頃には正直、「もう契約の途中でも辞めていいかな」と思っていました。
派遣会社の担当者さんにも相談しました。業務量を減らしてもらえないか。それが難しいなら、部署を変更してもらえないか。
すると、すぐに業務量を減らしたり部署を変えたりすることは難しいので、一度この勤務先を退職してはどうか、という提案もありました。一方で、できれば契約満了までは続けてほしいとも言われました。
ちょうど半年が経ち、有給休暇が使えるようになったところでした。
私自身にも、思うところがありました。
次の転職をするとき、「契約途中で辞めました」ではなく、「契約満了まで勤めました」と言えるようにしておきたい。ここで辞めたことが、これからの自分にとって不利になるのも嫌でした。
「あと1か月くらいなら、どうしてもしんどい日は休みながら行けるかもしれない」
そう考えました。
そして、3月31日。
有給休暇も使いながら、なんとか契約満了の日まで勤めることができました。
「頑張れる」と「頑張り続けるべき」は違う
契約満了まで働けたことには、ホッとしました。
でも私は、この経験から「どんなに辛くても最後まで頑張ることが正解」と思ったわけではありません。
むしろ、逆でした。
振り返れば私はずっと、
「もう少し頑張れば」
「もっと仕事を覚えれば」
「慣れれば早くなる」
「もうすぐ仕組みも変わるらしいから」
と、小さな「?」が出てくるたびに、辞める理由ではなく続ける理由を探していました。
前の職場でも大変な時期を乗り越えてきたから、「あのときもできたんやから、今回も何とかなる」と思っていたのかもしれません。
でも、今回初めて分かりました。
「私は頑張れる」と「ここで頑張り続けるべき」は、同じではない。
私らしく働ける場所を、もう一度探そう
お給料は、もちろん大切です。これから一人で生きていくなら、なおさらです。
でも——
ちゃんとごはんを食べられること。
ちゃんと眠れること。
家に帰ったら仕事から離れられること。
ひなのと散歩できること。
そして、困ったときに「困っています」と言えること。
そんな普通の暮らしも、私には同じくらい大切でした。
相談窓口から職場へ連絡してもらう方法もありました。でも私は、それを選びませんでした。
誰かと争ってここに残ることより、もう一度、自分らしく働ける場所を探したい。
私が選びたかったのは、そちらでした。
この転職を、全部失敗だったとは思いません
この職場での働き方は、私が思い描いていたものとはずいぶん違いました。辞めたことを、今は後悔していません。
でも、この転職そのものを「失敗だった」とも思っていません。
ここへ来なければ、出会えなかった人がいるからです。
いつも「困ってない?」と声をかけてくれた先輩。仕事のことを教えてもらい、一緒にランチをして、犬の話もたくさんしました。今でも大切な人です。
時々、
「もしかしたら、この人に出会うために私はここへ来たんかな?」
なんて思うこともあります😊
そして、この職場で働いたからこそ分かったこともありました。
自分に向いている仕事と、自分が無理なく続けられる職場は、同じではない。
総務事務そのものが嫌いになったわけではありません。
でも次に働くなら、収入だけではなく——
心と体を大切にできること。
自分の暮らしを守れること。
困ったときに相談できること。
無理をしなくても長く続けられること。
そんな場所を探したいと思いました。
だから、すぐに次の仕事を探すのはやめました。
まずは3か月くらい、何もしないで休もう。
ちゃんと食べて。ちゃんと眠って。ひなのと散歩して。
仕事に占領されてしまった生活を、一度、自分のところへ取り戻そう。
それからまた考えればいい。
そう決めました🌱
おわりに
「私らしい働き方を探して」。
まだ、答えは見つかっていません。
でも一つだけ、
「これは私らしい働き方ではなかった」ということは、分かりました。
だから私は一度立ち止まって、また探し直すことにしました🌱
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